円形脱毛症の臨床報告
円形脱毛症の原因はストレスと言われてきましたが、それは発症のきっかけにすぎないと最近の研究では言われております、それは頭髪に「自己免疫反応」と言うものが起きているらしいです、自己免疫反応とは体内にウイルスや細菌などの異物が入ってきた際にTリンパ球と言う細胞が異物を攻撃しますが、このTリンパ球が異常を起こして正常な細胞を攻撃してしまうことです、毛根をTリンパ球が攻撃して髪の毛が抜けてしまうのです。この自己免疫反応は他にも関節リュウマチ 全身性エリテマトーデス シェーグレン症候群などがあります。東洋医学的に考えると東洋医学では「陽病」と「陰病」と言う病の分類があります「陽病」とは外邪(ウイルスや細菌)などが体に入って臓腑を攻撃してなる病気のことです、風邪や肺炎などがそれに当たると思います。「陰病」とは外邪によらず自分の体の中で自分が勝手に作っていく病気です、これの代表的なものが(ガン)です、この中に「自己免疫反応」や「自己免疫疾患」も入ると思います。私たち東洋医学を行うものが重要視しているのが脈状です、この脈状によって病が軽いのか重いのか急性か慢性になっているのかなど、いろいろな事を教えてくれます、この自己免疫疾患の患者さんは脈が沈んでいることが多いと思われます。今回この臨床報告での患者さんは1m90cmぐらいある男性ですが、初診時の脈状はやや沈んでいました、体が大きいのでもう少し脈状が浮いていたほうが体の状態としてはいいと思いました。以前にも円形脱毛症になったことがあり、その時は何もせずほおっておいても段々と髪の毛が生えてきたらしいのですが今回は段々と広がっていくので、何とかしなくてはと来院されました。
初診時 かなり広がっています。
私の指の大きさからわかるように500円硬貨よりかなり大きくなっていました。それといつも第二頸椎の反応を診ます、当院ではこの第二頸椎の動きを重要視しています、この第二頸椎の動きがいいと、免疫力が高く自分の体の力で病を治していくことができるのですが、この第二頸椎の横突起を押さえて左右どちらかに圧痛がきついと免疫力の働きが弱くなっていると考えます。
この患者さんは右側に圧痛がありました。治療はとてもシンプルです、沈んだ脈を浮かせるようにして、患部に気血の巡りが良くなるように鍼やお灸をします、そして動きの悪い第二頸椎に整体をして動きを良くしていきます。
何回か治療していくと少し小さくなってきました。
真ん中あたりから黒い産毛が生えてきました
だいぶん小さくなってきました。
かなり生えそろってきました。
ほぼ生え揃いました。
日常生活で注意して頂く事として座位の時 骨盤を立てて座るようにする、そうすることにより治療で動きの出てきた第二頸椎が緩みやすくなります、悪い姿勢を続ける事により第二頸椎の動きが悪くなり治癒するのに時間がかかってしまいます、このように東洋医学の力と第二頸椎の動きを良くすることで色んな病気を治す事ができます。
【この記事の監修者】
安藤鍼灸院院長安藤 達 (あんどう とおる)
生年月日 1965年3月16日 (昭和40年3月16日)
岐阜県岐阜市 出身
明治東洋医学院 鍼灸科 柔整科 卒業
1997年 吹田市で開業
2002年 介護支援専門員の資格取得
その後15年間 診療の傍ら患者さんやそのご家族の介護での支援をする。
趣味 旅行 カフェでぼんやりすること